ブルーベリーオタクになる方法を紹介します。ブルーベリーオタクになるには、まず「大関ナーセリー」と「オーシャン貿易」というブルーベリー苗の輸入販売業者からカタログを取り寄せます。そしてカタログ内容を暗記するまで熟読し、最高のスペックのブルーベリー苗が何かを自力で発見しブルーベリーの新品種が売り切れないうちに発売の半年以上前に予約購入します。
新苗が届いたら、まずは、箱を傷つけないためにカッターナイフで丁寧に開封します。信頼できるナーセリーの手によって懇切丁寧に梱包されたブルーベリーを見てニヤニヤします。そしてテーピングを切り、丁寧にブルーベリーの苗木を取り出し、まずは玄関か部屋に並べてブルーベリーを鑑賞し、記念写真を撮ってまたニヤニヤします。そして、ブルーベリーオタクにとって最大の楽しみは苗木のチェックです。苗木が良質な苗木であるかどうかを確認する至高の時間に脳汁が溢れ出ます。まずは地上部の枝が太く、病気がなく元気そうかどうかを確かめます。そして、味見用の蕾があるかどうかをチェックし、どれを残して味見しようかおおむね検討を付けますが、すぐに蕾を取るようなことはいたしません。そして視線を株元に送り、異常がないのを確認して、苗木からポットをチラリと抜き取ります。片手に持ったブルーベリーの苗木を斜め奥に倒して根の様子を観察してまたニヤニヤします。そして一通り鑑賞が終わると再びポットの中にブルーベリーの苗木を入れて、ブルーベリーにたっぷりと水をあげて旅の苦労をねぎらい休ませます。ブルーベリーにおやすみのあいさつをして、その夜は終わりです。
既に買い置いた例のモスグリーンのスリット鉢、そしてブルーベリーの土、あるいは急いで当日または翌日にホームセンターに買いに走ったあなたも立派なブルーベリーオタクです。ブルーベリーの資材を買いに走ってる間は浮かれてとても正気ではないので交通事故に気を付けましょう。ブルーベリーの土に水をたっぷり染み込ませ、ブルーベリーの根鉢は崩さず、モミモミしてかわいがってニヤニヤします。ブルーベリーより一回り、いいえ、〇cm大きな（オタクなら書かなくてもわかる）スリット鉢の底に、ピートモスを可能な限り厚みを持たせて敷き、利き手とは別の手でブルーベリーをしっかり手に持ち、メヂカラでブルーベリーの専門医になったかのごとくピートモスをブルーベリーの周りに密着するように押し込みます。専門家のライセンスはありません。叩き上げの実力と自信だけがブルーベリーオタクのアナタの身についています。さらにマニアな人は、とっておきの配合肥料や通気性資材をピートモスに混ぜ込んでいることでしょう。ブルーベリーの苗木がしっかり固定されたことを確認したオタクはブルーベリーの表土の上にもピートモスを少々敷き詰めてしっかり押さえます。そして、まずは水（医療でいうナマショク）というか、さらにオタクな人は特性の液肥をちょろちょろとブルーベリーに食べさせてあげるかもしれませんが、あくまでそれは点滴です。あるいは表面にも特性肥料を少々与えるかもしれません。ブルーベリーオタクの中で、少々リッチな人々は、この上にさらに中粒のバークチップを敷き詰めて、ポンポンと軽くチップを押さえてまたニヤニヤします。 ブルーベリーの植え付けが終わったブルーベリーオタクは、既に決めておいた最高の場所に植木鉢を置きました。
厳しい冬の間、ブルーベリーオタクはブログやSNSでブルーベリーの情報を発信しつつ、人々の歓心を買いニヤニヤします。時々他人のブログを見て、またニヤニヤし、ときには2ちゃんねるの過去ログを見るなどして、またニヤニヤします。ブルーベリーの未知の情報を発見すると、その情報が有用で信用できそうならすぐさま再訪問できるよう場所だけは記憶しておきます。ブルーベリーオタクは他人の発信した情報が正しいかどうかを自分で判断するスキルをもち、発信者の栽培レベルや愛着がどの程度のものか、無意識のうちに正確に予見するスキルをもっています。数々の難しい症例をこなし、時にはシッパイするも、加齢のため、すぐに品種の名前が出てこないかもしれませんが、アレだ、アレ、と言葉忘れても品種の特徴だけはしっかりと覚えています。（続く）
