【鉢植えラズベリーの育て方】

ラズベリーの育て方をアメリカの栽培方法と経験をもとに絵図を用いて詳しくご説明します。ここで解説している内容は日本のどの栽培ガイドにも書かれていない本格的な栽培方法です。
ラズベリーの育て方 栽培カレンダー

ラズベリーの育て方

ラズベリーはコンパクトで植木鉢でも栽培しやすく家庭で人気の果樹です。おうちで育てたラズベリーの実は新鮮で甘くて香りが高くて早期に収穫された市販の果物よりおいしいです。収穫期に雨が降るので、果実が傷みやすく雨よけ栽培を推奨します。ラズベリーは育てるのは簡単で、日当たりよく雑草をこまめに抜いて大切に育てていれば容易に収穫が可能です。自宅のベランダやお庭でラズベリーを育ててみましょう。ラズベリーは簡単なイメージが先行しがちでつい放任栽培してしまいがちだけど夏の剪定と雑草の除去が実はとっても大事です。このページはウィスコンシン州立大学の栽培法を参考にしています。

ラズベリー

ラズベリーはバラ科のキイチゴ属のヨーロッパを原産とする低木です。一般的なラズベリーは欧州種や北米種を交配し改良された園芸種のことで1季なりと2季なりの種類があります。1季なりタイプは2年目の初夏~夏の間に収穫時期を迎えます。2季なりタイプは秋と翌年の初夏に実をつけます。ほとんどの種類は果実が赤いです。黄色の実がなるラズベリーもあります。秋にも実る2季なりのラズベリーはアメリカではしばしばエバーベァリングと呼ばれます。秋果のみ生産を行う場合は毎年株を刈り取ります。ラズベリーは多年生の植物で長く伸びた根と地下茎と芽がありますが茎はたった2年しか生きられません。1年目の夏に成長し、新しい茎「プリモケーン(primocane)」を伸ばします。1季なりタイプのプリモケーンは1年目に葉のみを生じます(花は咲かず実も付きません)。2季なりタイプは1年目の秋に実がなります。両タイプのラズベリーも1年目の晩秋にはプリモケーンにチップ(葉芽または混合花芽)が生じます。ラズベリーの側枝の成長は内側に下側に向かって伸びプリモケーンに霜が降りるまで発育を続けます。ブラックラズベリーはアメリカの南部でのみ栽培されている温暖地向けのラズベリーです。

2年目の夏、前年に生じたプリモーケンは「フロリケーン」(floricane)と呼びます。初夏の結実期に、このフロリケーンは夏が終わり霜で茎が枯れるまで多くの果実を生産します。

プリモーケンは毎年生えてフロリケーンとともに成長します。果実の生産は1季なりタイプも2季なりタイプもその年も次の年も続きます。1季なりのラズベリーの違いは2年目しか収穫できないのに対し2季なりのラズベリーは毎年1回ずつ収穫できます。

ラズベリーの植物の構造

ラズベリーの花は自家受粉で1品種だけでも結実します。ミツバチはラズベリーの花が作った花蜜に引き寄せられ受粉のほとんどを担います。

赤と黄色のラズベリーは「クラウンバッド(crown buds)」から新しいケーン(茎)、フロリケーンのベースとなる茎をのばします。この芽は不規則に根から発生します。このようにたくさんのサッカー(吸枝)のシュート(新芽)は株の区域を制限して整列し剪定をして栽培しないと密集して繁みになり見通しが悪くなります。

ブラックラズベリーとパープルラズベリーのほとんどはクラウンバッドからのみフロリケーンのベースとなるプリモケーンを生じます。なぜならこれらの植物は原産地でサッカー(吸枝、地下茎が伸び離れたところから伸びる新しい枝)を生じず木立のままだからです。

ラズベリーのケーン(茎)は小さな棘や時にはおびただしいトゲが茎を取り巻いています。多くのトゲなしラズベリーは適合する気候条件が限られます。

土と環境

ラズベリーは日当たりよく空気がよく直接風が当たらない防風された場所が栽培にベストです。排水の悪いエリアでは雨後の水たまりができるような場所はいけません。病害虫の問題による樹勢の衰えを防ぐためにも原種のラズベリーやブラックラズベリーからできる限り離して育てます。ラズベリーはイチゴそしてナス科のトマトやジャガイモとナスといくつか同じ病気を共有しますのでそれらの近くにラズベリーを植えないほうがよいでしょう。病気のリスクによる衰えを持ち越さないためにも新しい苗木をナス科やラズベリーやイチゴの跡地に植えつけることを少なくとも3年は待ちましょう。

植えつける前に風通しよく排水が良くなるように土壌改良しましょう。風通しによる空気の循環は雨や水やり後の植物に付いた水滴の乾燥を助けます。畝や緩やかな坂や斜面に植えると排水がよくなります。春の遅霜は好ましくありません。

砂質のミネラルのある土壌に5-7%の有機物で耕された土壌が理想です。軽い砂質の土は灌漑に利用できるので好ましいです。ラズベリーは弱酸性(PH6.0-6.8)の土がベストです。しかしながらPH5.5から7.5の間の土なら良く育ちます。

赤玉土7+ 砂1 + ピートモス 0.5 + 腐葉土 軽石など (※オリジナル配合です。ピートモスなどの有機質は5%とし鹿沼土は入れない。)

ラズベリーの冬の耐寒性は-32度かそれ以下でも完全に耐えられるか順応します。夏の暑い日差しは茎に損傷を引き起こします。北向きの場所に植えるか南西側の日差しをカットします。

ラズベリーは有機質で通気性と排水性の良い用土が適しています。ブルーベリーの専用土に硬質の赤玉土や砂を混ぜたものならご家庭でも作りやすいと思います。ラズベリーは乾燥と過湿、夏の暑さに弱いので、マルチングや遮光したほうがよいでしょう。ラズベリーの庭への地植えは、堆肥や腐葉土をたくさん漉き込んで軽石などで排水性をよくする土壌改良を行わないと栽培は厳しいかもしれません。鉢栽培では冬に植え替え行います。泥質や石灰質のアルカリ土壌は苦手です。

品種

ラズベリーに1季なりの品種と2季なりの品種の二つがあります。夏果の生産は1季なりがおすすめです。2季なり品種は秋果専用種としての栽培が推奨され2季とも果実を生産するためには夏季の生産性が高い樹勢の旺盛な品種を選ばなければ樹勢の衰えが生じることがあります。ラズベリーは棘のある品種とない品種の2タイプがあります。管理のしやすさではトゲなしベリーがおすすめです。トゲがあるラズベリーのほうが強健そうな印象があります。豊産性の品種はサマーフェスティバルとワンダーイエローです。棘がなくて栽培しやすい品種はグレンアンプルで香り高く筆者も栽培していますが樹勢が弱いです。オータンビリスも豊産性でおすすめなのですが、特許があり増殖できないのでコストパフォーマンスは劣ります。秋果狙いならマリージェーンとハリテージが秋果の収穫量が多いのでおすすめです。ナンタヘーラは近年登場した品種で大粒で風味が良いことが魅力的です。日本原産の素朴な味がお好みであるなら強健なカジイチゴがおすすめです。棘のある品種を扱う際には長袖長ズボンはもちろんのこと、厚い豚革の手袋を着用し(革が厚いので牛革手袋よりおすすめです)枝が跳ねるので防護メガネの着用を推奨します。

ラズベリーの品種一覧(筆者執筆ページ)

トゲなし品種

ラズベリーのトゲなし品種の代表的なものは、グレンアンプルグレンプロセンそしてグレンモイです。熟すと甘くなります。詳しいことについては、ラズベリーの品種一覧のページをご覧ください。ラズベリーのグレンアンプルはものすごい芳香がするかわりに果実が柔らかいという欠点があり地面に植えると少なくなっていくので、ラズベリーは鉢栽培がおすすめです。

木いちご

木いちごとは園芸品種のラズベリーを含むバラ科のキイチゴ属の総称です。木いちごの野生種もラズベリーの仲間です。野生の木いちごにも赤色とオレンジ色の二色があり、オレンジ色の木いちごの代表的な種類はカジイチゴです。カジイチゴは日本の本州に分布しており6月から結実します。冬いちごとモミジイチゴは苗木がオンラインの園芸店で入手可能です。日本でも野山に木いちごが自生し昭和の時代に民家の庭先にキイチゴ(冬イチゴ)が時折植えられており、小さなプチプチとしたほのかな甘みと果汁を伴う果実が子供のおやつとなっていました。懐かしい思い出です。木いちごの味はラズベリーと比べると芳香も少なく粒の数も僅かであっさりしており控え目な味でした。

野生のキイチゴ(岐阜県の山で撮影)

この野生の木いちごはカジイチゴとは異なり粒が小さく数多く密集しています。

初回に苗木を導入する本数

はじめてラズベリーを栽培される方は、たいてい1本しか苗を買おうとは思わないでしょう。しかし私がラズベリーを植えてから4年目、たった1本の苗木では1度の収穫が2、3個、よくて30gだけと寂しいことになっています。ラズベリーは一度の収穫では数粒しか採れませんので、それが果たして食べたりジャムにしたい量であるかを冷静に考えたほうがよいと思います。ラズベリージャムをお作りになる場合は、せめて苗木は5本、生食用でも最低2~3本くらいは必要かと思います。ラズベリージャムに必要なラズベリーの量は、最低でも200gくらい、ごく少量なら100gは欲しいところですので、やはり3苗くらいは必要かと思います。

事前情報

すぐにでも苗木を植えつけたい誘惑を我慢しましょう。これらの植物は病気や害虫が潜伏しておりすぐには現れません。苗木は信頼のできるナーセリーから購入しましょう。信頼のできるナーセリーの苗木はラズベリーの本当の品種の名前が書かれており、樹勢よく、健康的で無病です。このようなナーセリーで購入した植物は育ちがよく、たくさんの果実を生産し長く栽培できます。ラズベリーを植えつける前に苗木の感染を予防するためにも健康で病気がないか事前に気を付けましょう。

ナーセリーは在庫を1つか2つの方法で増やします。サッカー(吸枝)を掘り起こしてオリジナルの親から切り離し苗木として販売するものと、組織培養した苗です。組織培養された苗はより早く結実し生産性が良く栽培寿命も長いです。

植え方

ラズベリーを植えつける場合は弱酸性の植木鉢に苗木を15cmに切り詰めて植えつけます。苗木が倒れないように支柱を立てて紐などで優しく結びます。切った残りの茎は勿体ないので冷蔵庫で春まで湿らせた紙に包んで保管して春に挿し木にします。

ブラックベリーの植え方

農地に植えつける場合は育てる1~2年前に植え付け場所を選びます。土の中の水分量が十分であるか調べて必要なら排水タイル(ドレイナージタイル、土の中に埋設する排水トンネル)を設置します。大量の有機質、肥料や緑肥のようなものを土中に漉き込みます。もしもトジアリンのような強力な除草剤を使っていたら植え付けを1年待ちます。除草剤で除去できない多年生の雑草は頻繁に耕して抑制します。栽培をはじめる前に土壌をテストしましょう。植え付け前にリンとカリウムと石灰の肥料を加えます。土中のリンの濃度は25ppm、カリウムの濃度は100ppmにすべきです。植え付け前の秋に耕運機で畑を耕します。浸食の予防にライムギを植えてもよいでしょう。

苗木は春のできるだけ早い時期に植えます。しかし気温が-6度を下回ると危険です。特に培養苗は霜に当たらないようにします。苗木は穴を掘った地面や畝に少しだけ深く植え付けます。根のまわりを土で覆い水をたっぷり与えます。ラズベリーの1株あたりの生産寿命は8~12年、組織培養株で12年から15年です。いや地現象がありますので同じ場所への植え付けは1~2年待ちます。

カバープランツにクローバーやマメ科の植物がおすすめです。

雨の激しい地域では高畝にしポリマルチで雨水の浸透を避けましょう。

ラズベリーの鉢植え栽培(プランター)について

ご家庭でのラズベリーの栽培は植木鉢(プランター・コンテナ)での栽培を強く推奨します。ラズベリーは雑草に弱い植物なので、庭の地面に直接植えるといつの間にか少なくなって消えてしまいます。か弱いラズベリーを大切に育ててあげましょう。はじめは6号から8号あたりの植木鉢からはじめて、株が大きくなったらさらに大きな植木鉢に植え替えるのではなく、株分けでまた小さめの植木鉢をいくつか並べて育てることを推奨します。なぜなら株を大きく仕立てると、土や支柱の出費もそれなりになり葉への日当たりも悪くなるからです。※個人の見解です。

肥料

肥料は年内の晩秋の土壌改良時に元肥を与えます。露地栽培では追肥はなくても大丈夫ですが、株を大きくしたい場合は生育期や収穫時に追肥をするとよいでしょう。ラズベリーの肥料は少量でよく窒素は控え目にしリン・カリ・石灰をメインに与えます。石灰はアルカリが濃すぎない牡蠣殻がおすすめです。米ぬかや米のとぎ汁にはリン酸分が含まれており効果的です。

住友化学園芸 マイガーデンベジフル 1.6kg
このような化成肥料は手が汚れず虫もわかないので長期保管が可能です。(化成肥料を使いますと無農薬・有機栽培と呼称することはできませんのでお気を付けください。)
 超醗酵油かすおまかせ 中粒 700g超醗酵油かすおまかせ 中粒 700g
発酵油粕は粒が大きいほど肥料が長持ちします。

水のやり方について

ラズベリーの鉢植え栽培では乾燥しないように水やりが必要です。バークチップなどでマルチングをしておくと安心です。

ラズベリーの剪定方法

ラズベリーの剪定方法は少し複雑です。二季なり品種の扱いはこの章をよく読み理解しておきましょう。プリモケーンやフロリケーンといった言葉は覚えておいたほうが理解がしやすいです。

1季なりタイプの剪定方法

フロリケーンのみに結実するタイプの剪定方法です。アメリカではフロリケーンに結実するタイプと言います。外来日本語化にするならフロリケーンフルーティングタイプとなるでしょう。このページでは省略してフロリケーン結実タイプまたは一季なりタイプと呼ぶことにしています。
一季節なりタイプ=フロリケーン結実タイプ=グレンモイ

例えばこの写真のグレンモイは一季なりといってフロリケーンに結実するタイプです。フロリケーンの茎は6月には茶色くなり今にも枯れそうです。一季なりタイプのラズベリーを収穫したらフロリケーンを除去します。

夏の剪定

1季目(2年目)の収穫後に地面のラインでフロリケーンをカットします。どのみちフロリケーンは枯れてしまい病気の原因となります。これらのケーンを除去することによって新しく宿ったシュートが3本から4本伸びてたくましく生長します。冬に花芽が含まれているチップは切らないようにします。夏にプリモケーンの先端を2~3葉詰むと枝が太くなります。

ラズベリー夏果の剪定

ラズベリーは茎の上三分の一に実るので切りすぎないようにします。

休眠期の剪定

すべてのサイドブランチ(側枝)を花芽のある場所まで切り戻します。花芽を含んでいるチップも華奢なところは切り戻します。これを「ヘディングバック」を呼びケーンが頭重になるのを防ぎます。厳しく切りすぎると生産量が低下しますので茎の4分の1以上は切らないようにします。このときすべてのチップを切ってしまうと枯れてしまいます。

2年に1度生産する省力剪定

この剪定方法はラズベリーの夏果を良い状態で得るための容易で最も少ない浪費時間で済みますが生産量は少なくなります。毎年の休眠期に半分に切ります。この処置を行う畝と行わない畝に分けるか交互に剪定します。生産量は決まって30%に落ち込むもプリモケーンはフロリケーンに影響されずに成長します。

二季なりタイプの剪定

秋果はプリモケーンに実ります。夏果はフロリケーンに実ります。アメリカではこのことをプリモケーンに結実するタイプと言います。このページではプリモケーン結実タイプと呼ぶことにしています。2シーズン収穫するための剪定方法は1季なりタイプと同じでプリモケーンとそのサイドブランチの先端を夏季に少し摘芯し休眠期に上部とサイドブランチを切り詰めます。フロリケーンは収穫後に地際でカットします。

2季なりラズベリーの秋果はプリモケーンに結実する

秋果のみの剪定

ラズベリーの秋果は二季なりの品種のプリモケーンの上に生じます。生産量を最大にするためには晩秋か早春の休眠期に地際ですべてのフロリケーンとプリモケーンをすべてカットします。春になるとプリモケーンは再び成長を続けます。これらの茎は同じ秋のはじめに果実を生産します。結実は霜が降りるまで続きます。この生産技術はほかの剪定補法より生産に有利です。剪定の刈り取り時間は少なくて済みいくつかのラズベリーの病気の問題を回避できます。この栽培法は2季なり品種のためのものでありプリモケーンのみの生産方法です。

春になるとプリモケーンは再び成長を続けます。これらの茎は同じ秋のはじめに果実を生産します。結実は霜が降りるまで続きます。

ラズベリー秋果のみの剪定

ブラックラズベリーとパープルラズベリーの剪定

夏の剪定

すべてのプリモケーンのシュート(新しい茎)のチップ(先端)を5~7cm(2~3葉)ピンチアト(摘芯)します。このときブラックラズベリーのプリモケーンは60cmほどの高さとなっており、パープルラズベリーの高さは75cmほどの高さになっています。どのケーン(茎)もいくつかのサイドブランチ(側枝)を生じます。サイドブランチは果実の収穫を容易にし生産量を高めます。収穫後すぐに地際ですべてのフロリケーンをカットアウトします。

冬の剪定

春に成長をはじめる前に元気で健康なケーン(茎)を4~5本残してあとはすべて取り除きます。サイドブランチ(側枝, そくし)はブラックベリーは30cmになるよう切り戻し、パープルラズベリーは45cmになるように切り戻します。トレリスや支柱で茎を保護します。このとき前の夏に結実を終えたフロリケーンはすべて除きます。

日本特有の問題

日本の関東以西の平地でラズベリーを育てるにあたり、夏果採りと秋果採りの両方にデメリットがあります。夏果は降雨による腐敗やカビとスリップスや小さなイモムシの害を受けやすく、秋果はカメムシやコガネムシといった凶悪な害虫の被害を受け味が悪くなることが予想されます。二季なり品種はフロリケーンの夏果を収穫すると木の栄養状態が悪くなる傾向が私の園地では見られます。品種によっては梅雨や秋雨を少しは避けられるものがあるかもしれませんのでベストな効果が得られる収穫時期や雨よけトンネルの設置(安いもので3千5百円から入手可能)について検討してみましょう。

仕立て方

ラズベリーは株の内部が混みやすいので1列に並べて管理します。鉢植えの場合は小さな植木鉢やプランターを横一列に並べ、露地栽培の場合は杭を立て番線を張って茎が倒れないように仕立てて風通しをよくします。

ヒルトップシステム

1株ずつに支柱を立てて茎を紐で支柱に括りつけるシンプルな仕立て方です。鉢植えに適した方法です。たいそうな名前がなくてもみなさんが自然にやっておられる仕立て方です。

ラズベリーの仕立て方 ヒルトップシステム
ナローヘッジロウ(細畝)システム

細畝に茎(ケーン)を誘引するシステムは茎を直立に保つシンプルで簡単な仕立て方です。杭を立ててワイヤー(番線)を1本または2本ずつ引きます。横長のプランターに適した方法です。

ラズベリーの仕立て方

ラズベリーのI 字整枝とV 字整枝(畝に複数並べて栽培する方法)

I 字整枝・・・苗木を一列に複数並べて栽培する際に、収穫量がV 字整枝より多くなり収穫時間が短縮。1mあたり結果母枝を10本並べられる。I 字整枝は樹体の中心に、地上部10cm、70cm、120cm および170cm に番線を設置する。

V字整枝・・・1mあたり結果母枝を5本並べられる。樹体両側に植栽列と平行に地上部70cm、120cm および170cm に番線を設置する。

「ラズベリーの多収で収穫能率が高い整枝方法」から引用しました。言葉で説明してもわかりませんので、図入りの説明は農研機構のページをご覧ください。)

雑草対策について

ラズベリー栽培で一番重要なこと、それは雑草対策です。こまめにラズベリーのまわりにある雑草を除草しないと、徐々にラズベリーが弱っていきます。なるべく手の届く範囲にラズベリーを置いておきましょう。少しでも草取りをサボるとラズベリーが減っていきますヨ。

摘果について

ラズベリーの摘果は基本的に不要ですが、摘果しますと粒の大きさが揃います。

ラズベリーの開花と結実
ラズベリーの開花と結実

病害虫について

ラズベリーの害虫はアブラムシ、カイガラムシ、コウモリガなどです。ラズベリーの果実の空洞に小さな虫が入っていることもあります。収穫の時期と多湿の時期が重なりますので、なるべく雨に濡らさないほうがよいです。

ラズベリーの収穫時期について

ラズベリーの1季なりの品種は、6月中旬~7月に収穫します。ラズベリーの2季なりの品種は、6月中旬~7月と10月~11月ごろに収穫します。収穫期は、品種や地域により異なります。ケーキに乗っているような酸味の強いものをご希望の場合は熟す手前で収穫します。明るい赤から少々深みのある赤になったころ合いからが熟す目印となります。ラズベリーの果実は簡単にぽろっと離れますのでやさしく摘みましょう。まだ試したことはありませんが、果柄(かへい)を付けてハサミで切り取ったほうが少しは鮮度が保たれるのではないかと思います。

ラズベリーのグレンアンプル
収穫した筆者のラズベリーのグレンアンプル
(一つの苗木だけではこのように、あまり量が採れません)

保存方法

ラズベリーに保存性はなく、生食する場合はなるべくその日のうちに食べることが望ましいです。ラズベリーの冷凍保存は洗わずに保存します。冷凍することにより内部にいる耐寒性の無いタイプの昆虫を死滅させることが可能です。長期の保存は食中毒に注意してください。特に水で洗うと保存性が著しく落ちます。

品種はグレンアンプル 果実はやわらかい。60歳近くの老眼になったら、たぶん、虫がいても見えないと思います。このラズベリーをほおばると、口の中に何とも言えないバラのような強く甘い芳香を感じます。私はいろんな果樹を栽培していますけど、このラズベリーの香りは果樹の中でも最も強いです。収穫量は少ないので、一瞬の楽しみです。

ラズベリーの収穫

おすすめの育て方の本

ラズベリー、ブラックベリー (NHK趣味の園芸よくわかる栽培12か月)

ラズベリー栽培におすすめの本です。毎月の育て方が丁寧に、詳しく、やさしい言葉で説明されています。

ラズベリーの育て方、さいごまでお読みいただきありがとうございます。

あとがき

実はラズベリー栽培、育てておいてアレなんですが、私は苦手です。なので収穫もポロポロと微々たるもので果てには夏の高温で枯らせてしまいまったく説得力のない中身となってしまって、えらそーに育て方、なんて言っちゃって申し訳ないです。おそらく当地が冷涼な気候でないことが一番影響しているのではないかと思います。ラズベリーを問題なく育てるには信州や東北、北海道のような冷涼地が最適だと心底思います。暇を見つけてもうちょっとマジメに勉強したいと思います。ラズベリーの地植えは土壌改良をしないと難しいと実感しています。土壌改良ができない場合、ラズベリーは鉢栽培がおすすめです。

著作権について

詳細はプライバシーポリシーをご覧ください。©2013-2019 Naturier Birdlove all rights reserved.

更新履歴
  • 2018年6月12日:フロリケーン結実タイプ(一季なり)グレンモイの写真を撮り説明しました。
  • 2017年5月30日:栽培カレンダーとフロリケーンタイプの説明をわかりやすくなるように訂正しました。
  • 2017年2月26日:冬季の脳卒中のリスクを考慮した栽培カレンダーに改定しました。
  • 2016年12月25日:わかりやすく詳しくアメリカ方式で"Growing Raspberries in Wisconsin(©2007)"の引用を交えて説明し直しました。
  • 2016年12月17日:メニューをおしゃれにしました。
  • 2016年12月14日:ページURLを変更しSSL完全対応しました。
 

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