【実演!鉢植えレモンの木の育て方】

レモンの木を育てるにはどうすればいいのでしょうか?著者の栽培実例をもとにした、鉢植えレモンの栽培方法をご紹介いたします。
レモンの育て方 栽培カレンダー

レモン育て方

レモンの木の育て方は簡単です。レモンの栽培は広島レモンに代表されるように地中海のような年間を通して暖かい気候が適しています。レモンの木は寒さに弱いので柑橘類の産地以外の地域では鉢植えでの栽培が適しています。レモンの木は栽培が簡単で、まったく初めての方にもおすすめできる果樹です。自宅でレモンの木を育てれば、国産の無農薬レモンが作れます。栽培して収穫したレモンは塩レモンやハチミツレモン、レモン汁を絞ってシロップを作ったり、お菓子などいろいろなお料理を作ってレモンづくりを楽しみましょう。


レモンの歴史

レモンは北インドのパンジャブ地方からビルマ~中国南部一帯が発祥と信じられていますが正しい起源はわかっていません。ローマ帝国が酸っぱいオレンジ、柑橘をヨーロッパに伝えたらしいですが帝国の崩壊後に一旦放棄されたそうです(イタリアでは細々と栽培が続けられていたものと思われます)。紀元500年から1300年の間にイスラムの侵略者やアラブの商人、十字軍、貿易ルートの旅行者らによって再びヨーロッパにレモンがもたらされました。これらの初期のレモンは苦くて薬味や調味料として使われていました。12世紀の終わりごろになると、レモンの栽培は地中海沿岸に拡がりました。1493年、コロンブスはスペインからイスパニョーラ島にレモンを持ち込み1751年にカリフォルニアにレモンが伝わりました(ハワイにレモンが伝わったのは1778年です)。オーストラリアへは1788年キャプテンクックによってもたらされたと信じられています。

レモンが日本に持ち込まれたのは明治時代頃であるといわれていますが正確な歴史はわかりません。歴史から考えるとそれ以前の江戸時代にレモンという果物が日本に持ち込まれていたとしても不思議ではありません。

レモン栽培のコツ

レモンの木を育てるヒントを紹介します。

葉っぱの数を減らさない、葉を大事にする(最重要ポイント)

レモンの葉は冬季に寒さで落葉させたり、秋までにアゲハチョウにより激しく食害されたりカイガラムシに侵されますとレモンの実を翌年に結実させることは困難、ほぼ不可能となります。葉を落とさないように大事に育てることができれば栽培は簡単といえましょう。

害虫を見つけるとうっかりレモンの葉を摘んでしまいがちですが、なるべく摘まないようにしましょう。 最初の3年間は蕾や花、果実をすべてを取りましょう。 もしもレモンをたくさん結実させたい場合は4年生以上の苗木を購入するか植えてから最初の3年間は蕾や花・果実をすべて取って新梢の芽欠きや秋枝の切り返しをして木を大きくすることに専念しましょう。木がしっかりしてくるまでは果実を実らせる数を減らしましょう。

種類について

レモンの木にも品種がいろいろあります。

リスボンレモンの特徴

レモンといえば昭和生まれの方はこのリスボンの味をイメージするはずです。おもな産地はアメリカのカリフォルニア州でした。 リスボン種はトゲが多いという特徴があります。リスボンレモンの栽培は容易ですが、寒さに弱いので雪が降る地域では防寒が必要です。私も栽培しています。

リスボンはユーレカに次いで最も商業的に人気がある純粋レモン種でユーレカよりも涼しい地域への適応性があります。厚い葉は太陽の光から果実を守ります。トゲはあります。生産性はユーレカより25%高いです。リスボンのルーツはポルトガルからオーストラリアに1824年に送らました(ポルトガルではリスボンという名前は使われていません)。古い文献には1849年のナーセリーのカタログに掲載されていました。カリフォルニアにて1849年に紹介され、その後再びオーストラリアから1874年と1875年にカリフォルニアで紹介されました。カリフォルニア州立大学には12種類のリスボンレモンがあります。

ユーレカの特徴

リスボンと同じような風味です。種は少ないです。トゲも少な目です。wikipediaから引用すると、ユーレカの耐寒性はリスボンに劣ります。純粋レモン種です。

最初のユーレカの起源は1858年にロサンジェルスに伝播し1877年にトーマス・ギャレイによってギャレイズユーレカと呼ばれました。トゲがないため価値が出て急速に人気が出て需要が高まりました。カリフォルニア州立大学では14タイプのユーレカレモンのオリジナルを保有しています。

アレンユーレカの特徴

ユーレカの枝変わりです。

クックユーレカの特徴

ユーレカの枝変わりです。

マイヤー(メイヤー)レモンの特徴

おもな産地はニュージーランドです。酸味は控えめです。オレンジとレモンを交雑した品種といわれています。マイヤーレモンは実付きがよく非常に育てやすくしかも小さく育てることが可能です。風味は典型的なレモンの味と少し違います。香りは強く耐寒性はリスボンより強いです。棘はありません。マイヤーレモンは四季なりかお尋ねのようですのでご回答します。マイヤーレモンは私の地域(中間地)では1季なりです。私も栽培しています。英語での発音は「マイアー」に近いです。ローマ字読みをすると「メイヤー」と読めます。

マイヤーレモンはフルーツハンターのフランク・N・マイヤーが中国からアメリカ農務省のデビッド・フェアチャイルドに送ったことで初めて発見されたレモンです。これはマイヤーが送った2,500種の植物で彼の名前が付けられたたったひとつの植物です。このレモンは過去20年で劇的に人気が出ました。アリス・ウォーターズ(アメリカの著名料理家・無農薬志向)とマーサ・スチュワート(著名ライフコーディネーター)が彼女たちの料理でこのレモンを使って見せたことがきっかけでした。マイヤーレモンの生産性は暖かい地域において非常に良く1950年代にリリースされ1975年にシトラス・トリステザウイルスへの抵抗性に改良されました。今なお人気が上昇中です。マイヤーレモンはユーレカより生産性が高く栽培容易です。

サイパンレモンの特徴

マイヤーレモンの系統で「菊地レモン」「島レモン」とも呼ばれます。北マリアナ諸島のテニアン島から小笠原諸島に導入された品種です。果実は一般的なレモンよりやや大きく丸みを帯びています。鉢植えにした場合は実が小さくなります。栽培が簡単で初心者にもおすすめの種類です。時々マイヤーレモンと混同されておりますが、同一品種かどうか私にはわかりませんが、特徴の違いからおそらく本来は別品種ではないかと思います。もしかしたらマイヤーレモンの苗木をサイパンレモンとして売っている可能性もあるかもしれません。

スイートレモネードの特徴

オレンジとレモンが交雑した品種です。酸味が少ないことが特徴です。酸っぱいレモンをお求めの方にはおすすめできません。

スイートレモネードと似た品種にスイートレモンという品種があります。スイートレモンはスイートライムとも呼ばれとても軽いテイストで商業生産する価値はありません。

姫レモンの特徴

姫レモンは愛媛県上島町岩城島が特産のオレンジ色のレモンです。皮も果肉もオレンジ色で輪切りにして砂糖をかけて軽くあぶって食べます。皮にサンショウの風味があります。

ライムの特徴

耐寒性はレモンより強いです。お料理やお酒の風味づけに使います。何とも言えない独特の風味があります。果肉は淡いグリーンで種子が少ないです。

ほかにはオーナメンタルレモンのポンテローザやカプリ(マラヤンレモン)、北東インド発祥のジャンビリ(Jambiri)といった種類もあります。リモンチェッロにはOvale di Sorrento(オヴァール・ディ・ソレント)やMassese(マッサーゼ)またはMassalubrense(マッサルブレンセ) lemon、Limone di Sorrentoなどのソレントの品種やSfusato Amalfitano(アマルフィの大きなレモン)などのアマルフィの品種が使われていて20世紀初頭にこの飲み物が歴史に登場しました。イタリアのレモンの歴史は紀元前、古代ローマまで遡ります。

詳しくは拙著(というよりチラシ)「レモンの品種一覧ページ」をご覧ください。


土について

レモンは温暖で乾燥した地中海性気候を好むため、栽培条件はオリーブと同じで排水性の良い土が必要です。レモンはPH5.5から6.5の弱酸性~中性の土を好みますので赤玉土と腐葉土を混合した定番の土を使うか、排水のよいオリーブの園芸用土を使います。

レモンの土は鹿沼土以外の園芸用土で300円以上の土ならなんでも大丈夫です。ただし有機質だけは根より下にしっかり入れておいたほうが良いです。木のカスばかりが入っている園芸用土は栽培に使わないほうが良いです。少々しだけ粘土質と砂もあったほうが良いと思います。

レモンの土と苦土石灰、あとは肥料と植木鉢があれば土づくりは完璧です。

鉢植え(プランター)での栽培について

レモンは植木鉢(プランター=コンテナ)での栽培がおすすめです。植木鉢(プランター)は大き目のものを使い、最低でも直径30センチ以上の スリット鉢グラスファイバー鉢、 NPポットを用います。鉢底には、鉢底石を敷くと水はけがよくなります。レモンには、明るく可愛い植木鉢が似合います。鉢底石は無くても無問題です。鉢底石よりも必要なものは鉢底ネットです。

鉢植えのレモン(マイヤーレモン) こんな感じで葉の先端に果実が付きます!
鉢植えのマイヤーレモン
こんな感じで葉の先端に果実が実ります!
これは8号サイズの植木鉢です。

リスボンなど大型になる種類の場合は45cm径か50cmの植木鉢(NPポット)がおすすめです。マイヤーレモンは30cm径でも栽培可能ですが、最終的に40cm径くらいはあったほうがいいと思います。飾り程度の栽培であれば、通常サイズの植木鉢でも栽培可能です。

  大和プラスチック 根はり鉢 10号 9.6L ダークグリーン
大和プラスチック 根はり鉢 10号 9.6L ダークグリーン スリット鉢は根の張りが違います。と言いたいところですが、レモン栽培ではたいして違いはありません。

植え替えについて

レモンの木を植え替えする時は根を植木鉢より一回り小さくなる程度にカットして鉢底の長い根を切り整理します。レモンを赤玉土と腐葉土を混ぜた新しい土に植え替えます(配合用土より赤玉との自作の土のほうが断然おすすめです)。ここで根の隙間までしっかりと土を入れておかないと、春に枯れる原因となります。根洗いをされる方もいらっしゃいますが初心者の方は根を洗わないほうがよいと思います。植え替え時に根を洗ってしまいますと根の隙間の土が落ちてしまい春に給水できずに枯れてしまうおそれがあるからです。間違っても鹿沼土のような酸性土に苗木を植えないようにしましょう。

種から育てる方法

レモンを種子から育てる方法は、まずレモンの実を入手し種子を春まで冷蔵庫で湿らせたキッチンタオルとラップに包み保管しておきます。春になり土にレモンの種をまきトンネルなどで保温します。10粒程度撒かれることをおすすめします。条件がよければ種は発芽し成長をはじめます。アルゴフラッシュなどの微量要素入りの液体肥料(ハイポネックスの場合は液体は非推奨で顆粒タイプを推奨)を積極的に散布し日光に当てて育てます。種子から育てたレモンにも防寒対策を行い冬は暖かく日中は明るくしておきます。毎年ひとまわり大きな植木鉢に植え替えます。種から育てたレモンが大きくなるまでには7年以上の時間がかかりますので気長に待ちましょう。私も数本の実生苗を育てていますが数年が経過しても30cmほどの高さであり葉も小さく冬季はほとんど落葉してしまいアゲハチョウの幼虫を養うだけで観葉植物の域を出ていません。

冬の防寒対策

柑橘類の防寒対策

レモンは寒さに弱い植物で一時的になら-3度の寒さに耐えられます。冬の防寒対策をしていないレモンは12月中旬を過ぎると葉が黄色くなって落葉してしまいます(寒冷地では11月下旬頃)。冷たい風に当たっただけでも葉が黄色くなります。私の経験を述べさせてもらいますと、レモンの寒さ対策でおすすめなのが農業用の不織布でくるむ方法です。木を不織布で包むだけでも関東以西の平地のなら冬を越せると思います。寒冷地では日光が当たる屋内にレモンを移動する必要があると思います。マンションなどでは暖房のある暖かい部屋の窓辺に植木鉢を置いてもよいでしょう。冬のレモンにも、できれば光をたっぷりと当てたいところですが少々の日陰にも耐えられます。レモンの防寒対策をはじめる時期は関東以西の平地で12月上中旬から、寒冷地では11月中下旬から、温暖地は12月下旬あるいは不要です。

防寒布を外すタイミングは自分が暖かく感じたからといっていきなり外してはいけません。暖かくなってからも夜間の低温や霜はレモンにとって落葉の原因となります。新芽が出たからと言って防寒をすぐに外すべきではなく夜の気温も暖かくなるまでしっかりと防寒します。

防寒対策をする期間の目安としては、筆者の栽培地において12月10日から4月末頃までが安全なレモンの保護期間となります。茨城県以南の太平洋側では3月末~4月上旬まで、中間地では4月末頃まで、寒冷地では5月上中旬以降で確実に温かくなるまでは寒さ対策をしておいたほうがよいでしょう。レモンの葉が強風や遅霜に当たらないようにします。

私の場合、防寒を外すタイミングは強風や霜注意報が出なくなった4月末頃です。この頃まで布を巻いておくと、遅霜や4月の強風による落葉が防げます。

レモンの葉が落ちる原因

上記の通りレモンは寒さに弱い植物なので寒さや強風に当たると力尽きて落葉することがあります。春の芽吹きのときにも新芽を出すことにエネルギーを使い果たして落葉します。害虫に食害されたときにも木から葉っぱがなくなります。

レモンの実が落ちる原因

レモンの実が落ちる原因はいくつか考えられます。まずは生理落果というレモン自身が不要な実を落とす性質です。生理落果は7月ごろまで続きますので摘果は7月中旬以降が適しています。次に果実への養分や水分の供給不足によりレモンが生育途中で落果してしまうことがあります。これはレモンの果実に対し葉の枚数や根からの栄養供給量が不足するために起こりその原因は栽培者の技術不足にあります。この場合はレモンを大きな植木鉢に植え替えて肥料と水をたっぷり与えたり地面に植えたり農薬散布により害虫を減らすことで解決します。

十分成長したのに実が落ちる原因のひとつに害虫に葉を食害されたり吸汁されるなどして葉の枚数が不足していることが考えられます。害虫の分泌物がカビることにより葉が黒くなり日光が遮られていたり寒さで葉が黄色くなっている場合も結実しないことがあります。もうひとつはリスボン系統にみられる寒さで弱り切った木に花後の温度不足により花が咲いても実がならないことがあります。リスボンやユーレカの純粋種と比べて雑種のマイヤーレモンやサイパンレモンは結実性が良く早期に実を付けることが可能です。気温が不足する場合はしっかり暖かくなるまで逆U字の支柱を使いトンネルをするなどして保温します。木が弱った時は土を入れ替えしっかり肥料を与えてみましょう。花後は毎日たっぷりと水を与えます。

(いずれも私の観察結果から判明したことです。)


肥料について

レモンの肥料は、冬季に苦土石灰のような石灰質と年3回の肥料(元肥、春肥、秋肥)を与えます。レモンは肥料を好みますので、夏から後半の肥料切れに注意します。レモンの鉢栽培では有機肥料だけでは栄養分の補給が間に合わない場合がありますので、肥料切れが見られた場合は即効性の化成肥料(またはアルゴフラッシュやハイポニカなどの微量要素入りの液体肥料)を与えます。春の芽吹き初めから若葉のころまでには液体肥料の葉面散布がよく効きくと言われています。夏以降は有機肥料より化成肥料のほうが即効性があり扱いやすいです。営利栽培の場合は夏季にも施肥する場合がありますので、詳しくは専門の栽培法を参考にしてください。化成肥料や液体肥料を使用しますと有機栽培(オーガニック栽培)とは言えなくなりますのでご注意ください。未熟な有機肥料を使う場合は肥料が発酵するまでの期間を考えて効かせたい日よりも何日か前に与え、肥料が根に直接触れないようにします。大体4月下旬から9月までをメインに肥料を与えます。

レモンの肥料、前半の窒素肥料は多めに!

アルゴフラッシュやハイポニカという家庭用の液体肥料は微量要素入りですので本当にレモンに良く効く肥料でレモンの葉が通常より大きくなります。新葉の展葉期に1、2度葉っぱに噴霧器で散布するだけでよく以降は液体肥料は不要です。私も一時期この液体肥料を愛用しておりました。

水やりの方法について

レモンは過湿を嫌い乾燥に強いといわれますが鉢植え栽培の場合は乾燥しすぎはよくありません。夏には1日2回もしくは毎日の水やりが必要となります。レモンの水やりは生育旺盛な春から夏の晴天時は毎日与え冬季は週1回(温暖地は2回)程度が目安です。イタリアのレモンの灌漑栽培でも夏場はたっぷりと「レモンに好きなだけ水を飲ませてやるんだ」と地面に水たまりができるほどに水を与えます。

剪定方法と仕立て方

レモンの木の剪定方法

レモンの剪定は5月中旬が初心者の方に一番おすすめです。レモンは基本的に落葉果樹のような強い剪定は必要ありません。レモンは春に伸びた短果枝に翌年実を付けますので、結実させたい枝は切りません。ほかの枝より長い徒長枝、込み合った枝を枝の付け根から剪定します。一般的にかんきつ類は春、夏、秋と3回新しい枝が出て、春枝に翌年の花芽が付きます。

植えたばかりのレモンの苗は3年間くらい剪定不要です。その後は2年に1度程度の剪定で十分です。レモンの剪定に適した時期は4月から7月までの間です。

鉢植えマイヤーレモンの開花

レモンは枝の先に、花芽をつけます。枝先を切ってしまうとお花が咲きません。不要な枝をカットするだけにとどめておきましょう。剪定をしていない枝を上手に残すことが剪定のコツです。このように春に蕾の場所がわかっていれば、どこを切っていいかレモンが教えてくれます。

夏剪定は、込み合った枝を取り除き、風通しと日当たりをよくするために行います。冬季剪定は、樹形を整える程度に行い、極端な剪定は基本的に行いません。剪定後は断面をトップジンMペーストやカルスメイトの癒合剤を塗っておきますが緑枝の剪定では特に何も塗らなくても大丈夫です。

レモンは一か所から3本以上の短果枝が出る場合は込み合いますので分岐枝は1~2本くらいに減らします。

徒長枝とは、太い枝から真上に40cmくらいかそれ以上に伸びた枝で、そのままでは利用価値のない枝ですので、徒長枝を誘引して亜主枝として利用したり軽く剪定して意図的に短果枝を出させたりしない場合は付け根から剪定します。レモンの剪定は夏枝と秋枝ならいつでも剪定してオッケーです!

エスパリエ(垣根)仕立て

住宅の壁の前でレモンの木を育てる場合は平面的な仕立て方が太陽光を効率的に浴びることができます。エスパリエ仕立てをする時は正面に向かっている枝と奥に向かっている枝を切るか横に誘引します。トレリスを設置して斜め上方向に誘引したり、場所に余裕がある場合は水平に枝を伸ばして固定します。デメリットはトレリスの交換に費用が生じることと、植え替えが困難になること、枝が折れやすいことです。

レモンをたくさん栽培したいときは?

リスボン系レモンは初期のうちは縦方向に大きくなりやすいという特徴があります。しかしそれではまとまった収穫量を得ることは難しいので、根元から主枝を3~4枝を放射状に伸ばし、その枝を均一な太さに育てる開心形にして栽培したほうが、収穫量を増やしやすいです。

受粉作業

レモンに受粉作業や受粉樹は必要ありません。レモンは自家受粉です。気になる場合は綿棒や筆などで受粉させてあげましょう。


レモンの花後の果実
受粉作業をせずとも着果した筆者のレモン

病害虫と対策

レモン最強の敵(害虫)はアゲハチョウの幼虫です。アゲハチョウの卵は1mmほどの黄色い粒です。アゲハチョウの幼虫を見るとつい大事に養ってしまいがちですが、アゲハチョウの幼虫はレモンの葉を食べつくして枝を枯らせたり翌年花が咲かず実がならなくなったりする原因になりますので卵を見たら取ったほうがよいでしょう。

カミキリムシの幼虫もレモンにとっては木が瀕死になるほどの大敵です。カミキリムシはたいてい根元から5cmほどのところに穴が開いてますので見つけやすいと思います。

柑橘類の害虫イセリアカイガラムシ

レモンの美観を害する昆虫のカイガラムシは、レモンの木そのものを枯らせてしまうほどの深刻な問題を引き起こす害虫です。特に白くてふわふわしたカイガラムシは、いったん取りつきますと手作業での除去は困難で、放っておくと木が瀕死になってしまいます。カイガラムシの駆除は、冬季に薬剤を散布して気門を塞いだり、梅雨あたりに羽化してロウ物質をまとっていない時期に殺虫剤を散布するくらいしか手立てはありません。カイガラムシを発生させないためには木の内部に日陰や湿気の多い空間を作らないことです。私もカイガラムシには手を焼いており苦労させられっぱなしです。もしもレモンの木にカイガラムシが発生したら取り除けるものは除いて冬季と春にマシン油乳剤を二度散布します(一度だけの散布では効きません)。

5月のゴールデンウィークが終わるとコナジラミ類がレモンの木の新しい葉の裏に取り付きます。このときは使い捨ての手袋か粘着テープなどを使い手作業で除去することしかできません。コナジラミについては有機JAS適応農薬ではベニカマイルドスプレー(住友化学)とあめんこスプレー(アース製薬)が使えます。コナジラミは結構すばしっこいので還元澱粉糖化物(デンプン)のスプレーだけでの根絶は難しいかもしれません。ちなみにデンプン水溶液はジャガイモの粉や米から自作することが可能です。

ハダニ類は果実の品質を低下させる害虫です。レモンの皮を利用したい場合はハダニ対策も必要です。実は作者もハダニを肉眼で見たことはありません^^;

レモンのスス病

このようにカイガラムシなどの吸汁性害虫の分泌物によりレモンの葉が汚れてスス病という黒カビが発生します。放置すると枯死に繋がりますのでマシン油を散布し汚れを取り除きます。

アゲハチョウの卵

5月になると、アゲハチョウがレモンの新葉に産卵します。アゲハチョウの幼虫は食欲旺盛でレモンの新梢の葉を食べ尽くしてしまいますので捕まえて対応します。この幼虫にはゼンターリ(生菌)やトアロー水和剤(死菌)のようなバチルス菌製剤が有機JAS登録農薬で使えます。死菌のほうが芽胞が発芽しませんのでより安全であるように思います。鉢植えでは無農薬で手で捕ることで対応可能です。

アゲハチョウの幼虫

アゲハチョウの幼虫といえばアオムシという緑色と黒色の縞模様ですが幼齢のうちは鳥の糞に擬態しています。緑色になってくると捕まえた時に角が立ち強烈な匂いを出して敵を驚かせます。

摘蕾と摘果について

毎年レモンを安定して結実させる摘蕾(てきらい)と摘果(てきか)の方法を紹介したいと思います。

レモンの摘蕾について

マイヤーレモンの蕾
マイヤーレモンの蕾

レモンの木に葉をたくさん茂らせるためには摘蕾をしなければいけません。摘果より摘蕾(摘花)をしっかり行ったほうがよいと思います。樹冠上部や伸ばしたい枝の先端をを全て摘蕾すると木を大きくできます。レモンの花は5月中旬あたりに開花が始まります。この写真のように、一か所からたくさんの花が咲きますので、レモンの体力を消耗させたくない場合は蕾を摘み取ります。

マイヤーレモンの受粉後の果実
マイヤーレモンの受粉後の果実です

鉢植えレモンの場合、木が吸収できる栄養が限られていますのでいつまでも蕾や花を咲かせたままでは体力を消耗します。そこである程度の受粉が終われば蕾や花をすべて摘みます。もちろん自然落果が起きる6月まで待っても構いませんが、摘蕾は早いほうがよいと思います。上の写真は受粉が終わり実が膨らみ始めたものと、これから花を咲かせようとしている蕾です。同じ場所にこのような蕾がある場合、早いうちに蕾を摘んでおいたほうが実に栄養が行きわたりやすいことは説明するまでもありません。ただし生理落果が多い品種では結実しても実が落ちてしまうこともありますので慌てて蕾や花の数を減らすと収穫量が無くなることも考えられます。

レモンの不完全花
レモンの不完全花

レモンの品種によっては不完全花といってめしべが付いていない花が咲くことがあります。このような不完全花は昆虫を引き寄せる効果はあるかもしれませんが、結実にはそれほど役に立つことはありませんので摘んでしまっても大丈夫です。観察した限りではリスボンには(栽培に合った環境ではないせいか)不完全花が多いという特徴があるのかもしれません。レモンの実がならない原因のひとつに不完全花ばかりが咲いているということも考えられます。不完全花の問題を避けるためにはマイヤーレモンやサイパンレモンといった雑種がおすすめです。

レモンの完全花
レモンの完全花

レモンの摘果作業について

レモンは自然落果が終わった7月中旬以降に摘果という作業を行います。7月中旬までの早期にレモンを摘果をしてしまいますと、自然落果により果実がなくなってしまい、収穫ができなくなったということも起こり得ます。木の大きさにもよりますが、目安として例えば10号鉢、3年生くらいで5果くらい残します。植え付けすぐの味見程度なら1果にしておきましょう。

マイヤーレモンの幼果
マイヤーレモンの幼果です

収穫時期について

暖地では11月中旬~中間地では12月から3月末までレモンを収穫できます。春までにはすべて収穫したほうが木への負担が少ないです。秋ごろにはグリーンレモンを収穫することも可能です。冬季は水分を吸収する力がありませんので果実から水分が抜けて乾燥してきて病気も発生しますので温暖な場所以外であまり長く木に置いておくことはおすすめできません。レモンの実は収穫鋏などで、葉を1~2枚付けて切ります。レモンの収穫は黄色くなり始めた頃からいつでも収穫可能です。

レモンの皮を調理にご利用になる場合は手袋をした手でレモンを扱います。なぜならレモンの皮は真菌に弱く素手で触れると腐敗や食中毒の原因となるからです。


タヒチライムの栽培
タヒチライムの様子

レモン栽培に使える農薬

レモンを無農薬で育てる条件は栽培場所の湿度や害虫や微生物の状況により大きく左右されます。時には最低限の有機栽培でも使える登録農薬を使う必要が出てきます。白くて大きなワタフキ(イセリア)カイガラムシやハダニやスス病が発生した場合は冬季にマシン油乳剤を散布し害虫の密度を抑制します(いったん発生してしまうと根絶は難しいです)。アオムシの食害をテデトールで止められない場合はトアロー水和剤のようなBT剤が有機栽培で使用可能です。マシン油乳剤もトアロー水和剤もレモンの栽培では最小限の登録農薬です。無理をして無農薬でレモンの木を弱らせてしまうよりは、農薬を使ったほうがレモンにとっては良いこともあり、必ずしも農薬が悪ではありません。どうしても無農薬でレモンを育てたい場合は最初からビニールハウスで栽培することをおすすめします。

栄養と効能について

レモンはビタミンCを多く含みます。ビタミンCは美肌と老化防止、免疫に効果があります。ビタミンCは熱に弱く水に溶けやすい性質があります。ビタミンB6、パテント酸、カルシウム、鉄、チアミンなをを含みます。ビタミンB6はタンパク質からエネルギーを作り筋肉や血液の形成に必要な栄養素で皮膚の粘膜の健康維持にも働きます。健康のためにはなるべく加熱せずにレモンを調理したいところです。

レシピいろいろ

実際に収穫したレモンを使って下手な料理をいろいろ作っていました。ままごとレベルのお目汚しですみません。もうちょっとレモンを長期保存するほうほうがあればいのにね。レモンの皮をリモンチェッロなどのお料理に使う時は無農薬レモンを使用するのが標準的です。

レモンの砂糖漬け
レモンの砂糖漬けです。味は特にどうってこともなく・・・。

レモンウォッカ漬け
レモンウォッカ漬け(下準備)

リモンチェッロ
リモンチェッロ(自作)

ウォッカで作るより、スピリタスでリモンチェッロを作ったほうがいいですよ!でもアブソリュートウォッカも命の水・・・いえ、するっと・・・いえいえ、なかなかおいしいです。リモンチェッロのほうが子供っぽい味がしますのでビターなオトナはウォッカのほうがcoolかも。リモンチェッロを作るためにアブソリュートウォッカを初めて手にして気が付いたのが蓋がかなりチャチで蓋が金属じゃなくて紙に塗料を塗っただけで手に銀色が付いてがっかりしました。


レモンピールの砂糖菓子
レモンピールの砂糖菓子
そのままではちょっと甘すぎ!パンに混ぜたりしよう!

レモン酵母
レモン酵母

レモンと砂糖と小麦粉で。レモン酵母でおいしいパンが焼けました。お料理が得意な人はいいかもしれませんね。天然酵母なので発酵の様子が見当もつかずホームベーカリーの発酵メニューと合わないのでパンを自分でこねたりしてかなり面倒でした。

タヒチライム酒
タヒチライム酒
味は、まずまずといったところでした。

おすすめの本の紹介

わかりやすい、おすすめの本を紹介します。やっぱり一番簡単な本はおそらく趣味の園芸でしょうね。
レモン (NHK趣味の園芸 よくわかる栽培12か月 )
レモン (NHK趣味の園芸 よくわかる栽培12か月 )
鉢で育てる果樹―植えつけから実がなるまで (別冊NHK趣味の園芸)
柑橘類と文明: マフィアを生んだシチリアレモンから、ノーベル賞をとった壊血病薬まで
レモン栽培の本は、手元に一冊持ってると安心です。

レモンに関係した本の紹介

レモンのレシピは洋書のほうが豊富です。安いもので100円から電子書籍をダウンロードして読めるようです。

レモンの歴史 (「食」の図書館)
レモンの歴史 (「食」の図書館)
レモンのお菓子 甘酸っぱくておいしい45レシピ-
虫たちと作った 世界に一つだけのレモン

おすすめのレモン苗のご案内

レモンはすぐに実る3年生以上の苗木がおすすめです。栽培に失敗したら4年生の苗木で遅れを取り戻しましょう。
防寒対策を行えば中間地までの内陸部の平野でも栽培可能です。

柑橘類 苗木 ■送料無料■ レモンの木アレンユーレカレモン2年生 接ぎ木 苗6号...

トゲが小さいアレンユーレカです。千葉までの沿岸部など温暖地向きです。

【ビアブランカ レモン】トゲなしレモンの木 2年生 接ぎ木苗果樹苗木 果樹苗 柑...

ビアフランカも太平洋沿岸部や温暖地の方におすすめです。

サイパンレモン 6号

はじめてでも簡単に育てられるレモンです。普通のレモンよりも果皮の色が濃いイエローです。

11/20現在・実が付いています。柑橘類 四季なりレモン/マイヤーレモン 2年生...

初心者の方におすすめのマイヤーレモンです。コンパクトで鉢植え栽培に適した品種です。

斑入りレモンピンクレモネード

珍しい斑射りのピンクのレモンです。

レモンの木にもいろいろ種類があって基本的なリスボンレモン以外に皮が濃い色のサイパンレモンも身近で人気があります。私の見解ではユーレカは魅力的でも温暖地以外ではハードルが高いという印象があります。

レモン関連グッズ いろいろ

レモン栽培とは直接関係ありませんが、レモンのグミが幸せな気分になれるのでおすすめです。
国産レモン広島県尾道市瀬戸田町産防腐剤・防かび剤不使用A品レモン 約3.0kg 20-35個
国産レモン広島県尾道市瀬戸田町産防腐剤・防かび剤不使用A品レモン 約3.0kg 20-35個広島県産の生モンは人気です。
青葉貿易 有機レモン果汁 720ml
青葉貿易 有機レモン果汁 720mlとても評判の高いイタリアシチリア産の有機レモン果汁です。

おまけ 私のレモンの写真

レモンの栽培は簡単!と冒頭で書きましたが・・・実は、難しいです!栽培すること自体は簡単なんですが、無農薬の状態では結構世話が焼けます。

収穫した無農薬レモンの写真です。
いつまでも収穫を遅らせていますと右下のレモンのように干からびてきます。

自家製レモン酵母で焼いたパンです。
レモン酵母で焼いたパンです。レモンと砂糖と小麦粉と水でレモン酵母ができます。レモン酵母の作り方は簡単で、瓶にこれらの材料を混ぜて常温で置いておくだけです。するとプツプツと酵母が泡立ってきますので、これをホームベーカリーの生イーストコースを選択するなどして焼きます。酵母は上澄みを使用するよりも、沈殿物(酵母)のほうが発酵効果が高いです。

自家製レモン酵母で焼いたパン
レモン酵母で焼いたパンは、ドライイーストで焼いたものよりふんわりときめ細やかなパンになりました。

レモン栽培は、害虫の少ない都市部で栽培したほうが簡単かもしれませんね。
関連リンク
まったくの初心者がレモンをプランターや不織布ポットで栽培しているおもしろ日記です。
あとがき

レモンの育て方の記事はいかがでしたでしょうか。私自身が実際に楽しんで栽培してわかったことや経験したことを中心にかなりの時間をかけて解説しています。もちろん私は専門家ではありませんので、初心者であるからこそ気づいたことを述べています。私の説明は完璧ではありませんので詳しくはご本の購入をおすすめします。

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Additional Resorces

Ken Love, Robert E. Paull Hawaii Tropical Fruit Gowers Association, Tropicdcal Plant and Soil Sciences(2013). Lemons in Hawai'i. ctahr.hawaii.edu/oc/freepubs/pd/F_N-25.pdf(accessed January 14, 2017).

City of Darwin. Lemon. www.darwin.nt.gov.au/sites/default/files/Lemon.pdf(accessed January 14, 2017).

更新履歴
  • 2019年5月4日: 肥料と防寒対策についてわかったことを新たに述べました。
  • 2017年5月22日:栽培カレンダーに水のやり方と摘蕾を追加して改定しました。不完全花と摘蕾について栽培して発見したことを詳しく書き足しました。
  • 2017年5月9日:コナジラミとアゲハチョウの産卵と幼虫について庭で撮った写真を追加しました。
  • 2017年4月17日:農薬について書きました。
  • 2017年3月26日:レモンの観察結果から栽培に最適な防寒時期を確定しました。
  • 2017年2月26日:栽培カレンダーを健康的で理にかなったものに改定しました。
  • 2017年1月14日:Lemons in Hawai'i(2013, Ken Loveら)の論文からレモンの特徴を一部引用しました。
  • 2016年12月18日:プライバシーポリシーと著作権を明記しました。
  • 2016年12月14日:ページURLを変更しSSL完全対応としました。
警告

この趣味のレモンの栽培日記から生まれた栽培方法を2016年9月から私が気が付いた時まで株式会社ストロボライトのLOVE GREENというキュレーションメディアにパクられました。数か月後に検索結果が類似であることを示していたので気が付き相手はページの内容の盗用を認めて丸ごとパクリ記事は削除されましたが相手から正式な謝罪と完全なるパクリ停止通知の宣言や著作権料は頂いておりません。私が執筆したこのページは何年もかけてレモンを栽培して研究してきた成果を発表している個人研究のページで執筆にも非常に時間とコストがかかっています。どうか内容を絶対に盗まないようにお願いします。

 

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