【絶対枯れない!鉢植えクランベリーの育て方】

クランベリーを育てるにはどうすればいいのでしょうか?筆者の栽培経験をもとに、ご説明します。
クランベリーの育て方 栽培カレンダー

クランベリー育て方

クランベリーはたいへん水分を好む植物で鉢栽培が簡単な果樹です。クランベリーはピートモスという酸性の土が適しており日当たりもそこそこな涼しい気候を好みます。見てもかわいい、食べてもおいしいクランベリーをおうちで育ててみましょう。

クランベリー

クランベリーはツツジ科スノキ属ツルコケモモ亜属に属し酸性の沼地に生える植物です。小さな枝に実った赤い果実がかわいらしく観賞用に栽培されアメリカとカナダでは食用としても栽培されています。果実には食品添加物と同じ安息香酸が含まれます。栽培に適した気候は冷涼地です。7月と8月の猛暑日さえ乗り切れば、本州でも栽培可能です。

クランベリーはアメリカの東海岸からカナダの南東海岸とニューファンドランド島から五大湖にかけて自生している植物でネイティブアメリカンが食用とするフルーツです。中央ヨーロッパや北欧にも自生しています。この植物は低く育ち木質のつるを伸ばし多年生です。クランベリーは1本の茎が最大2メートル近く伸びます。成長期に葉の色は深い緑色をし休眠期に赤茶色に変わります(寒さに当てないと緑色のままです)。蔓は地面に沿って厚く繁ります。

短く垂直に伸びた側枝は花芽を含んでいます。果実のほとんどはこの垂直に伸びた短いランナーに生じ花はこのランナーの先に咲きます。この植物は湿った特別な土壌でよく成長します。クランベリー苔が堆積した湿地に自生しています。(文章の一部はクランベリー栽培の本場のマサチューセッツ大学から引用しています。)

栽培可能な地域

クランベリーは長野県の高原地帯や東北、北海道のような夏でも涼しい冷涼地が栽培に適しています。冷涼地以外では安定生産は期待できませんので観賞用として育てます。暖地でのクランベリーの栽培は高温と害虫により枯れるリスクが高くなります。(筆者の栽培経験より)

クランベリーの種類

クランベリーの種類は400種あるといわれています。日本では単にクランベリーや大実クランベリー、そしてツルコケモモと書かれた品種不明の苗木が園芸店で売られている大半を占める種類です。グレゲリースキなどの経済栽培用の品種がいくつかあります。食用の品種の苗木の入手は専門のナーセリーからの入手がおすすめです。

土づくり

クランベリーの土はピートモスまたはブルーベリーの専用用土で育てます。表面に砂でピートを覆いピートの下に砂利を敷く湿地栽培の方法もありますが湿地栽培は病原性真菌のリスクを高めます。クランベリーは酸性の用土と、冷涼地の湿地の環境を必要とします。

ピートモス3 + 砂1 + 腐葉土0.5 ※自生地の地質の特徴から導き出した配合です。

ピートを主土としこれらの用土を混ぜ合わせクランベリーの苗木をプランターに植えつけます。

本格的な湿地の環境を作るにはスイレン鉢に泥1を敷き、その上に砂利1を静かに並べます。そしてピート2から3の割合で敷き詰めピートモスに根が張るようにクランベリーを植えこみます。そして砂1の割合で株もとを含めた表面をすべて覆い、清潔な水を常にかけ流し高温にならないように夏が涼しい八ヶ岳や北海道のような冷涼地で育てます(2017, 筆者)。クランベリーの栽培に赤玉土や鹿沼土は使いません。

鉢植え栽培

クランベリーは長い茎(ランナー)を伸ばしますので、ハンギングバスケットなど、なるべく背の高い(1m以上)植木鉢で栽培すると果実も衛生的です。低い場所で栽培しますと果実がカビ臭くなることもあります。ご自宅に湿地がない場合、植木鉢での栽培がおすすめです。食用とする場合は衛生と病気に気を付けます。こまめに水やりをしていれば湿地でなくても育てられます。

肥料

クランベリーの肥料は発酵油粕(できれば骨粉入り)の大粒を元肥に小さめの植木鉢では5粒、8号程度の植木鉢で10粒元肥として与える程度で十分です。果実を多くつけている場合はミネラルや有機質肥料などを与えます。いわゆる野菜のようにたくさんの肥料を必要としません。

水やりの回数

クランベリーは湿地性の植物なのでたいへん水分を好みます。冬季は3日に1回、肌寒い季節は2日に1回、春秋の暖かい季節は毎日の水やり、夏の暑い季節は朝夕の二度の水やりが必要です。(筆者の)理想は日本わさびの栽培環境と同じにすることで清らかな水が必要です。


挿し木の方法

クランベリーの苗木は春の挿し木で簡単に殖やすことが可能です。ランナーを切って挿したり、ランナーに土をかぶせて取り木のようにして殖やします。クランベリーの挿し木は3月下旬から4月上旬の間に行います(筆者の場合)。挿し木を行うとその年は花が咲き難くなり実も少なくなります。

実をたくさん成らせる方法

クランベリーは昨年伸びた新梢に花芽がつき実がなります。たくさん実らせたい場合は枝先を刈らないようにします。挿し木も控え目にします。

受粉

クランベリーの受粉はミツバチまたはマルハナバチが行います。ただし、蜂がいない環境では人工授粉を行います。

クランベリーの一年

春のクランベリー

クランベリーは春に緑色の葉になり勢いよく芽吹きます。肥料を与え、成長の様子を見守り葉の美しさを楽しみましょう。

クランベリーの芽吹き-クランベリーの育て方
クランベリーの芽吹き

クランベリーの開花-クランベリーの育て方
5月の終り頃にクランベリーの花が咲きます(冷涼地ではおそらく6月上旬に開花)。

クランベリーの結実-クランベリーの育て方
6月にはクランベリーの果実が結実します。

夏枯れと水切れ対策

夏のクランベリーは直射日光を浴びて水切れを起こすとすぐに枯れてしまいます。クランベリーの植木鉢を明るい日陰に移動するか、黒色の遮光ネットで覆います。遮光ネットで覆う際には内部が高温にならないように気を付けます。

猛暑日の連続で、クランベリーが枯れた様子

収穫時期と方法

秋にクランベリーが赤く染まったら収穫のサインです。残念ながら、庭先での栽培では昆虫もあまり来ませんのでクランベリー1品種だけでは結実率が低く食用としての収穫はなかなか困難です。やっと収穫できたとしても果実に病斑があることがしばしばであり時にカビ臭く食用とするには殺菌剤という農薬が必要です。秋が深まったらクランベリーは霜に当てないようにします。クランベリーは生では食べられないので砂糖で味付けをして食します。

クランベリーの収穫時期

1月中旬の様子です。急いで収穫しなくても大丈夫そうです。しかしどう見ても食用としてはためらわれる品質です。

冬の株分けと植え替え

時間を見繕い、休眠期の冬に株分けします。苗木の株分けは年中可能ですが、春に芽吹く前に植え替えと挿し木を同時に行う方法が最も合理的です。苗木は凍結させないように管理します。クランベリーの植え替えは少し暖かくなりはじめた3月が適しています。

クランベリーの植え替え-クランベリーの育て方
クランベリーの植え替え
クランベリーの苗木のご案内

クランベリーやおすすめのベリーの苗木を紹介します。

クランベリー栽培のワンポイントアドバイス

クランベリーはブルーベリーとの栽培でブルーベリーに感染を生じる可能性があります。私は何年もクランベリーを栽培してきましたが、どうも食用としては、挿し木を繰り返し、3鉢栽培してもまともに収穫できませんでした。花が咲いても虫がクランベリーの花に寄ってこないのです。収穫に至った果実もウイルスか何かに感染しているかのようでした。いつもお花屋さんでたくさん実を付けたクランベリーを見てつい欲しくなってしまいます。クランベリー、かわいいですね。チェッカーベリーやリンゴンベリーもきれいです。

関連リンク
著作権について

詳細はプライバシーポリシーをご覧ください。

更新履歴
  • 2017年3月14日:誤字や説明不足を修正し著作権について明記しました。画像や文章の無断転載と引用も禁止しています。
  • 2017年2月26日:栽培カレンダーを変更しました。
  • 2017年1月13日:アーカンソー州のプレスを参考に用土を考案しました。
  • 2016年12月18日:プライバシーポリシーと著作権を明記しました。
  • 2016年12月14日:ページURLを変更しSSL完全対応しましたので安心して閲覧いただけます。
 

このページはリンクフリーです。ページの正式なURLはです。この枠線の中のテキストを右クリックで切り取って(※著作権保護のためコピーはできません)リンクのお張り間違えのないようにお願いします。