ニューメデール VS 普通の接木テープ 比較結果 カルスの形成量の違いについてのレポート

ニューメデール!普通の接木テープとの違いを比較!

奇しくもメデールという上級者向けの接木テープを入手する機会がありました。その結果が一年後に判明したので写真でお見せしたいと思います。本当に芽がで~る!私がニューメデールという接木テープを知ったのは昨年の春のことです。接木の講習会に行ったらおじいちゃん先生が「メデールというテープは高いけどいいよ」と教えてくださいました。そしてお手本を実演してくださり、その苗木を家に持ち帰って1年育てました。

2つの接木苗は、ほぼ同時期に接木を行いました。台木は両者とも園芸店で買った同じ台木用の品種を使っています。穂木の品種は別品種ですが同じ植物(シャクナゲ)です。

その後の管理方法も同じで、同じ場所に置いて、同じように育てました。

ニューデールのすすめ

接木をはじめて数年が経ちました。2023年になり始めてニューメデールという接木テープを購入しました。結論から言うと、もう普通の接木テープには戻れません。この粘着タイプの接木テープは本当に使いやすいです!

ニューメデールで接木してから1年後

メデールという接木テープを使って1年後の様子
メデールという接木テープを使って1年後の様子

メデールを使った接木の様子です。ちょうど1年が経過したのでテープを外しました。テープは素手では外せなくて、刃物が必要でした。メデールはややゴム質で、伸びがよくて伸ばしながら巻くので巻きやすそうでした。密閉性が高いので、カルスがよく染み出ています。台木の芽まで伸びてしまいました。テープを外すと、カルスとくっついた所が取れなくなりました。無理にはがすとカルスまで取れそうな気がしましたので、接着部分は残しておくことにしました。このカルスの出具合にとても満足しています。

メデールの欠点はその価格の高さです。1巻5メートルで千円くらいします。30メートルで2千円くらいします。通常の栽培では5メートルで十分だと思いますが、コスパが悪いので30メートル巻を買いたくなります。このテープ、お友達と半分こできるのかな?分けるとネッチョリして困りそう。そして長めのものを買うと、使い切れないので保管しているうちにどの程度劣化するのか未知数です。

普通の接木テープで接木してから1年後

普通の接木テープを使って1年後の様子
普通の接木テープを使って1年後の様子(切り接ぎ)

メデールに対し、普通の接木テープで接木した結果です。メデールと比べると明らかにカルスの量が少ないです。比べる際には私が接木初心者ということも、よく考慮する必要があるでしょう。

そして、普通の接木テープは巻く時に台木と穂木が外れてしまい、何度も巻きなおすことになりました。手先は器用なほうですが、はじめてなので、これには難儀しました。他の人に穂木と台木を合わせて持ってもらったら「ポキッ」と折れてしまうこともありました。

接木の道具

接木には、よく切れる刃物と、接木テープ、接木部分を保湿するビニール(袋)の三点セットが必要です。

切り接ぎ職人

前々からネットで見かけて気になっている道具を紹介したいと思います。「切り接ぎ職人」という鋏は台木と穂木をパズルのように切って合わせることができるという道具です。自分には要らないなと思いつつ、いまだ興味があります。

あまり必要性を感じませんが、切るのが苦手という人や、接木テープを巻きやすい形に切りたいという方におすすめのグッズです。

接木小刀

接木小刀は、園芸好きの人ならだれでも知っていると思います。握りやすい形状の小刀です。接木小刀が無くても切り接ぎ程度ならできますが、割り接ぎなど固い木を切る場合は専用の刃物が必要だと実感しています。私の場合、片刃の小出刃包丁を使って接木をしてみましたが、軟らかい枝は簡単でも、木質化した枝の接木は切るのが難しかったです。要するに、スパッと薄く切れる道具があればいいわけです。

余談ですが、私が観察した限り、お爺ちゃんという生き物は「道具にこだわります」。特に偉そうな爺ちゃん!「京都の老舗で菊一文字(だったか正宗か村正か忘れたけど)の接木小刀を手に入れた!」なんて自慢するんですよ。そんなお話の中にも役に立つ知恵がいっぱいです。

話はもとに戻り、ブドウの接木は接木小刀では怪我をするおそれがあると思いますので、穂木と台木のサイズが一定の場合、切り接ぎ職人があったほうが簡単だと思います。

名刀にこだわる必要性なんて、どこにもありません。ですが、素晴らしい逸品を持ってるだけで、幸福感が手に入ります。

カルス

私たちが何気なく使っている「カルス」とい言葉。写真を見たら何がカルスか一目瞭然ですが、言葉での説明となると「?」です。カルスとは、wikipediaの説明によると「分化していない状態の植物細胞の塊」と書かれています。要するに何者にもなっていない細胞の集まりということですが、何の目的もなくカルスは存在するのでしょうか?カルスが学術的に定義される以前は、カルスは植物に傷ができたときに染み出てきて固まる固形物を意味していたそうです。wikiの説明を呼んでいると、カルスを出すには植物ホルモンを使えばいいんじゃないの?と思ったりもしなくはありません。

私がメデールの評判をブログに書いたせいか、今ではアマゾンでふつうにメデールが売られるようになりました。もしも私の記事がメデールが普及するきっかけになったとしたら、口コミって凄いですね。どこかでアンテナを貼ってるバイヤーさんがいらっしゃるんですね~。

1年前にこの接木テープを知った時に書いたページです。

 

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