コンパクトな柿の木剪定方法
柿の木を栽培して10年以上。もはやいつ苗木を購入したか忘れてしまいました。病に倒れたのをきっかけにはじめた果樹栽培も6年が過ぎ去り柿についても興味を抱く機会が訪れようやく柿の剪定方法を理解するに至りましたのでその方法をお教えしたいと思います。柿栽培は家族の健康のためにもおすすめです。
柿の剪定方法の基本
柿栽培の初心者の頃はどこが新梢でどこが昨年の枝か本を読むだけでは見分けがつかないと思います。上記の写真をご覧ください。この写真に記した目印を見ればどの枝を切ればよいかはこれで一目瞭然になります。枝の先端に来年の花芽を含む芽がついております。先端を切ってしまうと柿の実がならないというわけです。柿の栽培ではこの枝をどれだけ残すか考えながら切っていくとコンパクトな家庭用に適した樹形が作れます。
ついでに説明しますと、これは短果枝(たんかし)といいます。
家庭用に柿の木の枝の更新ポイントを模索
柿の通常の剪定方法では毎年15cmずつ木が大きくなっていきいます。10年もすれば4m幅になっていることでしょう。これではご家庭の小さな畑では栽培スペースを圧迫し樹幹内部には果実が付かずに栽培効率もよくありません。そこで私が考えついたのは家庭栽培用に枝を更新して柿を小さく育てる方法です。このまま教科書通りの剪定をしていたのでは栽培スペースを圧迫してしまいます。先ほどの写真より煩雑に印がついておりますが、ちょっと難易度が高まったくらいに思ってください。難しいことはありません。私が観察した結果、柿の若い枝は毎年同じようなところから出るという特徴があります。今回の剪定はその性質を利用します。いわゆる切り返し剪定(切り戻し剪定)というやつなんですが、剪定箇所から再度枝が出る保証はありません。赤い丸印で記したポイントを切ればこの枝に柿を2個くらい実らせつつ木の大きさを保つことが可能です。確実に収量は落ちますので欲深くない方に適した方法です。この剪定のコツは芽が出やすいポイントまで切り戻すことです。営利栽培では望ましくない切り返し剪定(2010, 後述する「カキの多収栽培」のp30)を避けるためには次の項で述べる徒長枝を活用した枝の更新を検討してください。
徒長枝を利用して柿の主枝や亜主枝を更新する方法
ここからは推論の段階です。柿の木は強い枝が出やすいという特徴があり今回の剪定はその性質を利用して更新用の主枝や亜主枝を作ろうというものです。柿の徒長枝(というのはかわいそう)、不要と思うなかれ。徒長枝にも花が咲き果実が実ります。毎年柿をよく観察して運よく亜主枝や主枝候補の徒長枝が出たらうまく誘引して大事にしてください。家庭栽培では主枝は10年間隔くらいで更新したほうが管理がラクになると思います。
柿の枝の写真をご覧ください。この柿は樹齢でいうと4歳くらいの冬であると思います。私が植木鉢で柿の栽培を試み木の性質が盆栽に向かないために投げ出して畑に植えた富有柿です。練習用にちょうどよい柿になりました。
写真上の垂直に伸びている徒長枝をご覧ください。この徒長枝を結果枝として数年利用して枝が太くならないうちに付け根から伐採するという方法を繰り返します。「カキの多収栽培」という本によりますと著者の小ノ上喜三氏がこの方法を考案なされたそうなので、詳しいことはご著書をお読みください。
徒長枝=不要な枝とみなさんも私と同じく刷り込まれていることでしょう。残念なことに写真をよく見ると主枝を作る機会があったところを不要と思い剪定しておりました。みなさんも徒長枝を活用できれば柿もコンパクトに栽培できることでしょう。写真の◎印をつけているところで主枝または亜主枝を更新します。この写真の3本の主枝から伸びる亜主枝は年々長く伸びて枝先が折れやすくなっていきますので古くなる前に更新します。主枝も中央の分岐点から良い枝が出たら更新します。
関連リンク
- 柿の品種と特徴一覧(筆者執筆ページ)
- 柿の有機栽培の記録 2019年(筆者のブログ)
- 柿の有機栽培の記録 2017年-2018年 麗玉の導入(筆者のブログ)
- 柿の栽培記録 初心者丸出し日記2013年から2016年(筆者のブログ)
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更新履歴
- 2019年4月16日 栽培記録へのリンクを貼りました
- 2016年12月20日 柿の剪定方法についてのページを作成・公開しました。