トップジンMペーストvsカルスメイト
剪定の必需品、トップジンMペーストとカルスメイトの違いについて写真を撮って実際に使用して比較してみました。どちらがいいかご検討されてらっしゃるみなさまの参考になれば幸いです。私の好みは服が汚れにくいという理由でずばりカルスメイトです!
トップジンMペーストとは
トップジンMペーストは住友化学園芸の癒合剤で成分はチオファネートメチルが入ってます。1箱100gでオレンジ色のゲルが特徴です。トップジンMペーストのイメージカラーはブルーとホワイトです。
特徴
箱の説明書きを抜き出してみました。
本剤はペースト状の殺菌剤です。剪定・整枝時の切り口、胴枯病などの病患部を削り取った後の傷口に塗ることにより、病原菌の侵入を防ぎ枯れ込みを防止し、切り口の治りを早めます。さくらのてんぐ巣病、りんごの腐らん病、きゅうりのつる枯れ病などに幅広く使用できます。チューブ容器入りですので手を汚すことなく手軽に使用できます。カルスメイトのパッケージと比べると細かい説明がたくさん書いてありました。 箱の中にも小さな文字で書かれた説明書が1枚同封されていました。
成分
チオファネートメチル3.0%[1, 2-ビス(3-メトキシカルボニル-2-チオウレイド)ベンゼン]酢酸ビニル樹脂、色素、水等97.0%内容量
100g
販売
住友化学園芸株式会社
東京都中央区日本橋小網町1-8
製造
日本曹達株式会社
東京都千代田区大手町2-2-1
製造場
イヌイ株式会社 高松工場
香川県高松市香西本町1
カルスメイトとは
カルスメイトは富士薬品の癒合剤で成分は酢酸ビニール樹脂などです。カルスメイトのイメージカラーは黄色とレッドそしてブラックまたは緑です。
特徴
箱の説明書きを抜き出してみました。
塗布後の乾燥が早く、いつまでもベタベタしません。展着性が非常に優れているため、塗布後はがれたりヒビわれせず、長時間効果を持続します。木肌になじむ茶褐色。トップジンMペーストと比べるとシンプルな説明書きです。 箱の中には本体以外に何の説明書もありませんでした。カルスメイトは農薬でありながら説明がほとんどありません。
成分
酢酸ビニール樹脂、その他 と書かれていました。内容量
150g
販売
富士商事株式会社
製造
富士薬品工業株式会社
東京都中野区江古田4-32-8
トップジンMペーストとカルスメイトの違い
今回は両方の癒合剤を持ち合わせていましたので違いを比べてみました。
トップジンMペーストの使用感
ブドウの木の枝を剪定しトップジンMペーストを塗りました。トップジンMペーストの色はオレンジ色で癒合剤はなめらかで木工ボンドよりも柔らかく乾燥が遅い印象を受けました。香り等は特に何も感じませんでした。あれこれ剪定してこの癒合剤を塗りまくっていると服がオレンジ色のゲルでめちゃくちゃ汚れて使用後はちょっとがっかりしました。剪定しまくった立派な庭木にも塗ってみたら遠くからオレンジ色の断面がとても目立ちテンション下がりました。木工ボンドより液だれがするデメリットはあるものの、殺菌されているだろうという安心感はありました。
カルスメイトの使用感
カルスメイトを庭木の牡丹の木に塗りました。素直にカルスメイトは素晴らしく通な園芸家向きの癒合剤であることがわかりました。ゲルの粘りはトップジンほどなめらかではなく、カルスメイトはパテ状に近かったので液だれはしませんでした。この癒合剤はチューブから出して切り口になすりつけるだけでは上手に塗れません。絞りだし口を小さくするか、小さなヘラのような道具による補助があればと思いました。チューブからゲルを出し過ぎると角が立つほど盛り上がるので、きれいに塗るためには芸術性を要するところが美意識の高い愛好家の心を掴んでいるのではないかと思われます。ゲルの色は灰色で目立たないところは盆栽などの美を大事にする植木の剪定にぴったりでした。
ちょっとツッコミを入れるとしたら、カルスメイトは木工ボンドと主成分が同じですからボンドに墨汁で着色して水で軟らかくすれば代用できるのではないかと思えてきます。よく見るとチューブからじかに出してなすり付けただけではきれいに塗れていません。
両者の用途の違い
果樹にはトップジンMペーストを使い剪定箇所を明確にして作業能率を高め、牡丹や針葉樹などの鑑賞用の大事な植木にはカルスメイトを塗るという使い分けが可能です。面白いことに両者は競合しているように見えて住み分けており競争していないようにも思えます。要するに、切り口を殺菌するかどうかの違いです。
この記事が参考になりましたら幸いです。